貌鳥の間なくしば鳴く春の野の
草根の繁き恋もするかも
- 歌の意味
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貌鳥が絶え間なくしきりに鳴く春の野の草の根が茂っているように、しきりに思う恋をすることだ。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1898
詞書は前の歌に続き「鳥に寄す」
貌鳥が絶え間なく鳴く春の野の、草の根が茂る様子を序として、絶え間なく思いのつのる恋を詠んだ歌である。鳥の声の繁さと草の根の繁さとが二重に重ねられ、恋の思いの激しさを印象づけている。本巻の第千八百二十三首にも貌鳥が恋の思いに寄せて詠まれており、貌鳥が恋を呼び起こす鳥とされていたことがうかがえる。
初句「貌鳥の」は鳥の名で、カッコウとする説などがある。
二句「間なくしば鳴く」は絶え間なくしきりに鳴くの意である。「しば」はしばしばの意である。
三句「春の野の」は字余りの句で、景の場所を示す。
四句「草根の繁き」は草の根が茂るの意で、上の句全体が「繁き」を導く序となっている。
結句「恋もするかも」の「かも」は詠嘆である。絶え間なくつのる恋の思いを示して結ぶ。
かほどり:鳥の名。カッコウとする説などがある
くさね:草の根。草
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春さればもずの草ぐき見えずとも 我れは見やらむ君があたりをば
- 次の歌
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春されば卯の花ぐたし我が越えし 妹が垣間は荒れにけるかも