梅の花咲き散る園に我れ行かむ
君が使を片待ちがてり
- 歌の意味
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梅の花が咲いては散る園に私は出かけよう。あなたからの使いをひたすら待ちがてら。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1900
詞書は前の歌に続き「花に寄す」
恋人からの使いを待つ心を紛らわせるため、梅の花の咲き散る園へ出かけようと詠んだ歌である。花を眺めることが待つつらさを慰める手段となっており、「片待ちがてり」の語に、落ち着かずに待つ心がにじんでいる。春雑歌で賞でられた梅の花が、相聞では待つ恋の慰めとして詠まれている。
初句「梅の花」は春の花で、園の景を示す。
二句「咲き散る園に」は咲いては散る園にの意である。花盛りから散り際までの梅の園を示す。
三句「我れ行かむ」の「む」は意志である。ここで三句切れとなる。
四句「君が使を」は恋人からの使いをの意である。
結句「片待ちがてり」の「片待つ」はひたすら待つ意、「がてり」はするついでに、しがてらの意である。倒置によって出かける理由を最後に示している。
かたまつ:ひたすら待つ
つかひ:恋人の間を行き来して便りを伝える人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春されば卯の花ぐたし我が越えし 妹が垣間は荒れにけるかも
- 次の歌
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藤波の咲く春の野に延ふ葛の 下よし恋ひば久しくもあらむ