をみなへし佐紀野に生ふる白つつじ
知らぬこともち言はえし我が背
- 歌の意味
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佐紀野に生える白つつじのように、知らないことを口実にして人に噂されたあなたよ。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1905
詞書は前の歌に続き「花に寄す」
身に覚えのないことで人の噂にされた恋人を思いやる歌である。上の句の「白つつじ」が同音の「知らぬ」を導く序となっており、春の野に咲く白い花の清らかさが、身に覚えのない潔白さを思わせる。噂によって恋が妨げられることへの嘆きもうかがえる。
初句「をみなへし」は「佐紀」にかかる枕詞である。女郎花が咲く意から「さき」を導く。
二句「佐紀野に生ふる」の「佐紀野」は平城京の北に広がる野である。
三句「白つつじ」は白い花のつつじで、同音の「知らぬ」を導く序となっている。
四句「知らぬこともち」は知らないことをもっての意で、身に覚えのないことを口実にしての意となる。
結句「言はえし我が背」の「え」は受身、「し」は過去の「き」の連体形である。噂された恋人に呼びかけて結ぶ。
をみなへし:女郎花。「をみなへし」で「佐紀」にかかる枕詞となる
さきの:平城京の北にある野
しらつつじ:白い花のつつじ
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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梅の花しだり柳に折り交へ 花に供へば君に逢はむかも
- 次の歌
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梅の花我れは散らさじあをによし 奈良なる人も来つつ見るがね