梅の花我れは散らさじあをによし
奈良なる人も来つつ見るがね
- 歌の意味
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梅の花を私は散らすまい。奈良にいるあの人もやって来ては見てくれるだろうから。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1906
詞書は前の歌に続き「花に寄す」
奈良にいる恋人が訪ねてきて見るかもしれないから、梅の花は散らすまいと心に決める歌である。梅の花を大切に守ることが、恋人の訪れを待つ心と結びついている。本巻の第千八百五十八首の梅の花を縄を張って守りたいという歌と通じる、花を守る心が見られる。
初句「梅の花」は守ろうとする対象である。
二句「我れは散らさじ」の「じ」は打ち消しの意志である。梅を散らすまいという決意を示し、ここで二句切れとなる。
三句「あをによし」は「奈良」にかかる枕詞である。
四句「奈良なる人も」は奈良にいる人もの意で、都にいる恋人を指す。
結句「来つつ見るがね」の「がね」は目的、理由を表す終助詞で、見るようにとの意となる。恋人の訪れを期待して結ぶ。
あをによし:「奈良」にかかる枕詞
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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をみなへし佐紀野に生ふる白つつじ 知らぬこともち言はえし我が背
- 次の歌
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かくしあらば何か植ゑけむ山吹の やむ時もなく恋ふらく思へば