春霞山にたなびきおほほしく
妹を相見て後恋ひむかも
- 歌の意味
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春霞が山にたなびいてぼんやりしているように、ほのかにあの子を見ただけで、後にはきっと恋しく思うことだろう。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1909
詞書「霞に寄す」
春霞が山にかかってぼんやりしているように、恋人をほのかに見ただけで、後でいっそう恋しくなるだろうと詠んだ歌で、題詞は「霞に寄す」である。上の句の霞のおぼろさが「おほほしく」を導き、はっきりと見られなかったもどかしさが後の恋しさを募らせることを予感している。春雑歌で春の到来を告げた霞が、相聞では恋のおぼろな思いを表すものとなっている。
初句「春霞」は春に立つ霞である。
二句「山にたなびき」は山にたなびいての意で、上の句は「おほほしく」を導く序となっている。
三句「おほほしく」はぼんやりと、ほのかにの意である。霞のおぼろさと、恋人をほのかに見たことを重ねている。
四句「妹を相見て」は恋しい人に会っての意である。
結句「後恋ひむかも」の「む」は推量、「かも」は詠嘆である。ほのかに見たことでかえって後に恋しさが募るだろうと予感して結ぶ。
あひみる:互いに顔を合わせる。逢う
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春されば水草の上に置く霜の 消につつも我れは恋ひわたるかも
- 次の歌
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春霞立ちにし日より今日までに 我が恋やまず本の繁けば