春霞立ちにし日より今日までに
我が恋やまず本の繁けば
- 歌の意味
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春霞が立った日から今日まで、私の恋はやむことがない。根元がしきりに茂っているので。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1910
詞書は前の歌に続き「霞に寄す」
春霞が立った日から今日まで、恋の思いがやむことがないと嘆く歌である。結句の「本の繁けば」は、恋の根本の思いが繁く深いことを植物の根元の茂りにたとえた表現と考えられる。訓読には「一云 片思にして」の異伝が添えられ、結句を片思いであるのでとする伝えもある。前歌の霞に続き、霞の立った日を恋の始まりとしている。
初句「春霞」は前歌と同じく春の霞である。
二句「立ちにし日より」の「に」は完了、「し」は過去の「き」の連体形である。霞が立った日を恋の起点として示す。
三句「今日までに」は今日に至るまでの意である。長く続く時間を示す。
四句「我が恋やまず」は私の恋はやまないの意で、ここで四句切れとなる。
結句「本の繁けば」は根元が茂っているのでの意で、「ば」は確定条件である。倒置によって恋のやまない理由を最後に示している。
もと:根元。物事の根本
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春霞山にたなびきおほほしく 妹を相見て後恋ひむかも
- 次の歌
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さ丹つらふ妹を思ふと霞立つ 春日もくれに恋ひわたるかも