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たまきはる我が山の上に立つ霞
立つとも居とも君がまにまに

歌の意味
我が家の山の上に立つ霞のように、立つにしても座るにしても、すべてあなたの思うままに従おう。
鑑賞
巻第十 春相聞 1912

詞書は前の歌に続き「霞に寄す」
 自分の家の山に立つ霞を序として、立つも座るもすべて恋人の意のままに従おうと誓う歌である。上の句の霞の「立つ」が、下の句の人の「立つ」を導き、恋人にすべてを委ねる一途な心が表れている。霞に寄する一連の中で、霞が恋人への献身の心を導く景となっている。

 初句「たまきはる」は「命」「内」などにかかる枕詞で、ここでは「我が」にかかるとされる。
 二句「我が山の上に」は自分の家の山の上にの意で、字余りの句である。
 三句「立つ霞」は立つ霞の意で、上の句は「立つ」を導く序となっている。
 四句「立つとも居とも」は立つにしても座るにしてもの意である。「居」は座る意で、あらゆる振る舞いを指す。
 結句「君がまにまに」はあなたの思うままにの意である。恋人にすべてを委ねる心を示して結ぶ。

たまきはる:「命」「内」などにかかる枕詞
う:座る。「居」の読み
出典
万葉集
前の歌
さ丹つらふ妹を思ふと霞立つ 春日もくれに恋ひわたるかも
次の歌
見わたせば春日の野辺に立つ霞 見まくの欲しき君が姿か