見わたせば春日の野辺に立つ霞
見まくの欲しき君が姿か
- 歌の意味
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見渡すと春日の野辺に立っている霞のように、いつまでも見ていたいと思うあなたの姿であることよ。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1913
詞書は前の歌に続き「霞に寄す」
春日の野辺に立つ霞を見渡すように、いつまでも見ていたい恋人の姿を詠んだ歌である。上の句の「見わたせば」「霞」が、下の句の「見まくの欲しき」を導き、見るという行為を重ねて恋人の姿への憧れを表している。本巻の第千八百七十二首も「見わたせば春日の野辺に霞立ち」で始まり、雑歌では霞の中の桜を、相聞では恋人の姿を詠むという対応が見られる。
初句「見わたせば」は見渡すとの意である。第千八百七十二首と同じ初句である。
二句「春日の野辺に」は春日野のあたりにの意で、第千八百七十二首と同じ句である。
三句「立つ霞」は立つ霞の意で、上の句は「見まく」を導く序の働きをしている。
四句「見まくの欲しき」の「見まく」は「見む」のク語法で、見たいと思うの意となる。
結句「君が姿か」の「か」は詠嘆である。見ていたい恋人の姿をたたえて結ぶ。
みまく:見ること。見ようとすること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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たまきはる我が山の上に立つ霞 立つとも居とも君がまにまに
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恋ひつつも今日は暮らしつ霞立つ 明日の春日をいかに暮らさむ