梅の花散らす春雨いたく降る
旅にや君が廬りせるらむ
- 歌の意味
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梅の花を散らす春雨がひどく降っている。旅先であなたは仮の宿りをしているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1918
詞書は前の歌に続き「雨に寄す」
梅の花を散らすほどひどく降る春雨の中、旅先で仮の宿りをしているであろう恋人を思いやる歌で、雨に寄する一連を締めくくる。前の三首が春雨を口実にめぐるやりとりを詠んだのに対し、この歌は春雨の中の旅の恋人の身を案じる心を詠んでいる。梅の散る景が、離れている恋人への思いをいっそう切なくしている。
初句「梅の花」は春雨に散らされる花である。
二句「散らす春雨」は梅を散らす春雨の意である。本巻の第千八百六十四首などで詠まれた花を散らす春雨を受けている。
三句「いたく降る」はひどく降るの意で、ここで三句切れとなる。第千九百十七首の「いたく」と同じ語である。
四句「旅にや君が」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らむ」と係り結びをなす。
結句「廬りせるらむ」の「廬る」は仮の小屋に宿る意、「らむ」は現在推量である。旅の空の恋人を思いやって結ぶ。
いほる:仮の小屋を作って宿る
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春雨に衣はいたく通らめや 七日し降らば七日来じとや
- 次の歌
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国栖らが春菜摘むらむ司馬の野の しばしば君を思ふこのころ