春草の繁き我が恋大海の
辺に行く波の千重に積もりぬ
- 歌の意味
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春の草のように茂る私の恋は、大海の岸辺に寄せていく波のように、幾重にも積もってしまった。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1920
詞書は前の歌に続き「草に寄す」
春の草のように繁く、大海の岸に寄せる波のように幾重にも積もった恋の思いを詠んだ歌である。春草と大海の波という二つの比喩を重ね、陸と海の広がりをもって恋の大きさを表している。春の草に寄せる歌でありながら、海の波をも取り込んだ雄大な構図が特徴である。
初句「春草の」は春の草のようにの意で、次の「繁き」を導く比喩である。
二句「繁き我が恋」は茂るように絶え間ない私の恋の意で、ここで二句切れとなる。
三句「大海の」は大きな海のの意である。二つ目の比喩を導く。
四句「辺に行く波の」は岸辺に寄せていく波のの意である。絶え間なく寄せる波に、途切れることのない恋を重ねている。
結句「千重に積もりぬ」の「千重」は幾重にもの意、「ぬ」は完了である。重なり積もった恋の思いを示して結ぶ。
ちへ:幾重にも重なること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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国栖らが春菜摘むらむ司馬の野の しばしば君を思ふこのころ
- 次の歌
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おほほしく君を相見て菅の根の 長き春日を恋ひわたるかも