梅の花咲きて散りなば我妹子を
来むか来じかと我が松の木ぞ
- 歌の意味
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梅の花が咲いて散ってしまったならば、恋しいあの子が来るか来ないかと、私が待つ、その松の木なのだ。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1922
詞書「松に寄す」
梅の花が咲いて散るころまで恋人の訪れを待ち続けようと、「松」に「待つ」を掛けて詠んだ歌で、題詞は「松に寄す」である。梅の咲き散る季節の移ろいが待つ時間の長さを示し、松の木に託して待ち続ける心を表している。松と待つの掛詞は後の和歌にも多く見られる技法である。
初句「梅の花」は季節の移ろいを示す花である。
二句「咲きて散りなば」の「な」は完了の「ぬ」の未然形、「ば」は仮定である。梅が咲いて散るまでの時の経過を示す。
三句「我妹子を」は恋しいあの子をの意で、男性が恋人を親しんで呼ぶ語である。
四句「来むか来じかと」は来るだろうか来ないだろうかと思っての意である。待つ心の揺れを示す。
結句「我が松の木ぞ」の「松」は「待つ」を掛けた掛詞で、「ぞ」は強意である。待ち続ける自分を松の木に重ねて結ぶ。
わぎもこ:男性が妻や恋人を親しんで呼ぶ語
まつ:松の木の意と、人を待つ意を掛ける
- 出典
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万葉集
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おほほしく君を相見て菅の根の 長き春日を恋ひわたるかも
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白真弓今春山に行く雲の 行きや別れむ恋しきものを