大夫の伏し居嘆きて作りたる
しだり柳のかづらせ我妹
- 歌の意味
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立派な男子である私が、伏したり座ったりして嘆きながら作ったしだれ柳のかづらを、髪飾りにしておくれ、我が妻よ。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1924
詞書「蘰を贈る」
恋の嘆きに伏したり座ったりしながら作ったしだれ柳のかづらを、恋人に髪飾りにしてほしいと贈る歌で、題詞は「蘰を贈る」である。「大夫」と自らを誇らしげに言いながら、恋に嘆き伏すという対比にユーモアと真情がこもっている。本巻の第千八百五十二首で大宮人がかづらにしたしだれ柳が、ここでは恋人への贈り物となっている。
初句「大夫の」の「大夫」は立派な男子の意で、作者が自分を指して言っている。
二句「伏し居嘆きて」は伏したり座ったりして嘆いての意である。恋に苦しむ姿を示す。
三句「作りたる」は作ったの意で、「たる」は完了、存続の「たり」の連体形である。
四句「しだり柳の」は枝の垂れ下がった柳のの意で、第千八百五十二首と同じ語である。
結句「かづらせ我妹」の「せ」は命令形で、髪飾りにしておくれの意である。「我妹」と呼びかけて結ぶ。
ますらを:立派な男子。勇ましい男
ふしゐ:伏したり座ったりすること
かづら:草木の枝や蔓を輪にして髪に飾るもの
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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白真弓今春山に行く雲の 行きや別れむ恋しきものを
- 次の歌
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朝戸出の君が姿をよく見ずて 長き春日を恋ひや暮らさむ