春山の馬酔木の花の悪しからぬ
君にはしゑや寄そるともよし
- 歌の意味
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春山の馬酔木の花のように、悪くはないあなたとなら、ええままよ、噂を立てられてもかまわない。
- 鑑賞
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巻第十 春相聞 1926
詞書は前の歌に続き「問答」
悪くはない相手となら噂を立てられてもかまわないと、恋の噂を受け入れる思いを詠んだ歌で、問答の一連の最初に置かれる。「馬酔木」の「あし」が同音の「悪しからぬ」を導き、春山に咲く花の美しさに相手の好ましさを重ねている。次歌の第千九百二十七首と問答をなすと考えられる。
初句「春山の」は春の山のの意で、本巻の第千八百九十首などと同じ初句である。
二句「馬酔木の花の」は馬酔木の花のようにの意で、上の句は同音の「悪し」を導く序となっている。本巻の第千九百三首にも馬酔木が恋の比喩として詠まれる。
三句「悪しからぬ」は悪くはないの意で、控えめな言い方で相手への好意を示している。
四句「君にはしゑや」の「しゑや」はええままよと思い切る意の感動詞である。
結句「寄そるともよし」の「寄そる」は噂で関係づけられる意である。噂されてもかまわないと思い切って結ぶ。
よそる:噂によって関係があるとされる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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朝戸出の君が姿をよく見ずて 長き春日を恋ひや暮らさむ
- 次の歌
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石上布留の神杉神びにし 我れやさらさら恋にあひにける