- 歌の意味
- 朝霞がたなびく野辺に、山のほととぎすはいつになったらやって来て鳴くのだろう。
- 鑑賞
-
巻第十 夏雑歌 1940
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
朝霞のたなびく野辺で、山のほととぎすがいつ里に来て鳴くのかと待ちわびる歌である。夏の到来を告げる鳥の声を待つ心が素直に表れている。朝霞という春の名残の景に夏の鳥を待つ心を重ね、季節の移り目をとらえている。
初句「朝霞」は朝に立つ霞である。
二句「たなびく野辺に」は霞のたなびく野辺にの意である。
三句「あしひきの」は「山」にかかる枕詞である。
四句「山霍公鳥」は山にいるほととぎすの意である。里に来る前の、まだ山にいるほととぎすを示す。
結句「いつか来鳴かむ」の「か」は疑問の係助詞で、「む」の連体形と係り結びをなす。待ちわびる心を示して結ぶ。
きなく:来て鳴く
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 霍公鳥汝が初声は我れにもが 五月の玉に交へて貫かむ
- 次の歌
- 朝霧の八重山越えて呼子鳥 鳴きや汝が来る宿もあらなくに