霍公鳥鳴く声聞くや卯の花の
咲き散る岡に葛引く娘女
- 歌の意味
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ほととぎすの鳴く声を聞いているか、卯の花の咲いては散る岡で葛を引いている娘たちよ。
- 鑑賞
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巻第十 夏雑歌 1942
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
卯の花の咲き散る岡で葛を引く娘たちに、ほととぎすの鳴く声を聞いているかと呼びかける歌である。夏の野で働く娘たちの姿と、卯の花、ほととぎすという初夏の景物とが一体となり、明るい夏の風景が描かれている。ほととぎすと卯の花の取り合わせは夏の歌に多く、本巻の第千九百四十五首などにも見える。
初句「霍公鳥」は夏の鳥である。
二句「鳴く声聞くや」の「や」は疑問の係助詞で、呼びかけの問いとなる。ここで二句切れとなる。
三句「卯の花の」は初夏に白い花を咲かせるウツギの花である。
四句「咲き散る岡に」は咲いては散る岡にの意で、娘たちの働く場所を示す。
結句「葛引く娘女」は葛の蔓を引いて繊維をとる娘たちの意で、倒置による呼びかけの形で結ぶ。
うのはな:ウツギの花。初夏に白い花を咲かせる
くず:マメ科の蔓草。蔓から繊維をとった
をとめ:若い娘
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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朝霧の八重山越えて呼子鳥 鳴きや汝が来る宿もあらなくに
- 次の歌
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月夜よみ鳴く霍公鳥見まく欲り 我れ草取れり見む人もがも