月夜よみ鳴く霍公鳥見まく欲り
我れ草取れり見む人もがも
- 歌の意味
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月夜が美しいので鳴くほととぎすの姿を見たいと思って、私は草を刈り取った。一緒に見る人がいればよいのに。
- 鑑賞
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巻第十 夏雑歌 1943
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
月の美しい夜に鳴くほととぎすの姿を見たくて、草を刈り取って見晴らしをよくしたが、一緒に見る人がいないことを残念がる歌である。鳥を見るために手間をかける風流な心と、それを分かち合う相手を求める心とが表れている。春雑歌の第千八百六十六首の「見む人もがも」と同じ結句で、美しい景を分かち合う人を求める思いが季節を越えて繰り返される。
初句「月夜よみ」は月夜がよいのでの意で、「み」は原因を表す接尾語である。
二句「鳴く霍公鳥」は鳴くほととぎすの意である。
三句「見まく欲り」は見たいと思っての意で、「見まく」は「見む」のク語法である。
四句「我れ草取れり」は私は草を刈り取ったの意で、「り」は存続を表す。ここで四句切れとなる。
結句「見む人もがも」の「もがも」は願望の終助詞で、第千八百六十六首と同じ結句である。
みまく:見ること。見ようとすること
ほる:欲しいと思う。望む
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霍公鳥鳴く声聞くや卯の花の 咲き散る岡に葛引く娘女
- 次の歌
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藤波の散らまく惜しみ霍公鳥 今城の岡を鳴きて越ゆなり