逢ひかたき君に逢へる夜霍公鳥
他時ゆは今こそ鳴かめ
- 歌の意味
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逢いがたいあなたにようやく逢えたこの夜、ほととぎすよ、ほかの時よりも今こそ鳴いておくれ。
- 鑑賞
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巻第十 夏雑歌 1947
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
なかなか逢えない恋人にようやく逢えた夜、ほととぎすに今こそ鳴いてほしいと願う歌である。逢えた喜びの夜を、ほととぎすの声で彩りたいという晴れやかな心が表れている。前歌がほととぎすの声を恋をつのらせるものとして拒んだのに対し、この歌は逢えた夜の喜びを高めるものとして声を求めており、恋の状況によって鳥の声の受け止め方が反転している。
初句「逢ひかたき」は逢うことの難しいの意である。
二句「君に逢へる夜」は恋人に逢えた夜の意である。「る」は完了、存続の「り」の連体形である。
三句「霍公鳥」は呼びかけの対象である。
四句「他時ゆは」の「他時」はほかの時、「ゆ」は比較の基準を表す。ほかの時よりはの意となる。
結句「今こそ鳴かめ」の「こそ」は強意の係助詞で、「め」は「む」の已然形の結びである。今こそ鳴けと強く願って結ぶ。
あだしとき:ほかの時
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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木高くはかつて木植ゑじ霍公鳥 来鳴き響めて恋まさらしむ
- 次の歌
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木の暗の夕闇なるに霍公鳥 いづくを家と鳴き渡るらむ