木の暗の夕闇なるに霍公鳥
いづくを家と鳴き渡るらむ
- 歌の意味
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木々が茂って暗い夕闇であるのに、ほととぎすはどこを自分の家として鳴き渡っていくのだろう。
- 鑑賞
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巻第十 夏雑歌 1948
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
木々が茂って暗くなった夕闇の中を鳴き渡るほととぎすに、どこを家として帰るのかと思いやる歌である。暗がりの中を行くあてもなく鳴き渡るかのような鳥の姿に、旅の心や身を寄せる所のない寂しさが重ねられている。訓読には二句に「一云 なれば」の異伝が添えられ、夕闇であるのでとする伝えもある。本巻の第千九百四十一首の宿もない呼子鳥の歌と通じる趣がある。
初句「木の暗の」は木が茂って暗くなったところのの意で、春雑歌の第千八百七十五首にも見える語である。
二句「夕闇なるに」の「に」は逆接で、夕闇であるのにの意となる。
三句「霍公鳥」は主語である。
四句「いづくを家と」はどこを家としての意である。鳥の帰る場所を思いやっている。
結句「鳴き渡るらむ」の「らむ」は現在推量である。暗がりを鳴き渡る鳥の行方を推し量って結ぶ。
このくれ:木が茂って暗くなったところ。木の下闇
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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逢ひかたき君に逢へる夜霍公鳥 他時ゆは今こそ鳴かめ
- 次の歌
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霍公鳥今朝の朝明に鳴きつるは 君聞きけむか朝寐か寝けむ