霍公鳥いとふ時なしあやめぐさ
かづらにせむ日こゆ鳴き渡れ
- 歌の意味
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ほととぎすよ、お前の声をいやだと思う時はない。けれども菖蒲草をかづらにする日には、ここを通って鳴き渡っておくれ。
- 鑑賞
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巻第十 夏雑歌 1955
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
ほととぎすの声はいつでも好ましいが、とりわけ菖蒲草をかづらにする五月五日の節句の日には、ここを鳴き渡ってほしいと願う歌である。節句の華やかな日をほととぎすの声で彩りたいという思いが表れている。本巻の第千九百三十九首が五月の薬玉にほととぎすの初声を交えたいと願ったのと同じく、五月の節句とほととぎすを結びつけた歌である。
初句「霍公鳥」は呼びかけの対象である。
二句「いとふ時なし」はいやだと思う時はないの意で、ここで二句切れとなる。
三句「あやめぐさ」は菖蒲のことで、五月五日の節句に髪に飾ったり軒に挿したりした。
四句「かづらにせむ日」はかづらにする日の意で、五月五日の節句の日を指す。
結句「こゆ鳴き渡れ」の「こゆ」はここを通っての意、「渡れ」は命令形である。節句の日の到来を願って結ぶ。
いとふ:いやだと思う。嫌う
あやめぐさ:菖蒲。五月五日の節句に用いた
こゆ:ここを通って。ここから
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霍公鳥来居も鳴かぬか我がやどの 花橘の地に落ちむ見む
- 次の歌
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大和には鳴きてか来らむ霍公鳥 汝が鳴くごとになき人思ほゆ