大和には鳴きてか来らむ霍公鳥
汝が鳴くごとになき人思ほゆ
- 歌の意味
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大和には鳴きながら飛んで来ているのだろうか、ほととぎすよ。お前が鳴くたびに、亡くなった人のことが思い出される。
- 鑑賞
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巻第十 夏雑歌 1956
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
ほととぎすの鳴く声を聞くたびに亡くなった人を思い出すと詠んだ歌である。ほととぎすは死者の国と往来する鳥とも考えられ、その声が故人を偲ぶ思いを呼び起こしている。大和に鳴いて来るかと問う初句からは、作者が大和を離れた地にいることもうかがえる。夏の鳥の一連の中で、ほととぎすの声が挽歌的な情感をもって詠まれた一首である。
初句「大和には」は大和の国にはの意である。作者が大和の外にいることを思わせる。
二句「鳴きてか来らむ」の「か」は疑問の係助詞で、「らむ」の連体形と係り結びをなす。ここで二句切れとなる。
三句「霍公鳥」は呼びかけの対象である。
四句「汝が鳴くごとに」はお前が鳴くたびにの意である。
結句「なき人思ほゆ」の「なき人」は亡くなった人、「思ほゆ」は自然に思われる意である。「鳴く」と「なき」の音の響き合いもあり、声と追憶が結びついて結ぶ。
なきひと:亡くなった人
おもほゆ:自然に思われる。思い出される
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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霍公鳥いとふ時なしあやめぐさ かづらにせむ日こゆ鳴き渡れ
- 次の歌
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卯の花の散らまく惜しみ霍公鳥 野に出で山に入り来鳴き響もす