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我が衣を君に着せよと霍公鳥
我れをうながす袖に来居つつ

歌の意味
私の衣をあの方に着せなさいと、ほととぎすが私を促している。袖に来てとまりながら。
鑑賞
巻第十 夏雑歌 1961

詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
 袖にとまるように近くで鳴くほととぎすの声を、自分の衣を恋人に着せよと促す声と聞きなした歌である。衣を贈ることは恋の証とされ、ほととぎすの声に恋人への思いを託している。袖に来るという近さに、鳥と作者とが親しく語り合うような情景が浮かぶ。

 初句「我が衣を」は私の衣をの意で、字余りの句である。
 二句「君に着せよと」は恋人に着せよとの意で、ほととぎすの言葉として示される。
 三句「霍公鳥」は主語である。
 四句「我れをうながす」は私を促すの意で、ここで四句切れとなる。
 結句「袖に来居つつ」の「来居る」は来てとまる意、「つつ」は継続である。倒置によって鳥の近さを最後に示している。

きぬ:衣服
うながす:促す。せきたてる
出典
万葉集
前の歌
物思ふと寐ねぬ朝明に霍公鳥 鳴きてさ渡るすべなきまでに
次の歌
本つ人霍公鳥をやめづらしく 今か汝が来る恋ひつつ居れば