かくばかり雨の降らくに霍公鳥
卯の花山になほか鳴くらむ
- 歌の意味
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これほど雨が降っているのに、ほととぎすは卯の花の咲く山で、なおも鳴いているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 夏雑歌 1963
詞書は前の歌に続き「鳥を詠む」
激しく降る雨の中でも、卯の花の咲く山でほととぎすはなお鳴いているのだろうかと思いやる歌で、夏雑歌の鳥の一連を締めくくる。雨に閉じこめられた作者の、遠い山の鳥の声を慕う心が表れている。本巻の第千九百五十三首などに詠まれた卯の花とほととぎすの取り合わせを、雨の中の想像の景として詠んでいる。
初句「かくばかり」はこれほどまでにの意である。
二句「雨の降らくに」の「降らく」は「降る」のク語法で、「に」は逆接である。これほど雨が降っているのにの意となる。
三句「霍公鳥」は主語である。
四句「卯の花山に」は卯の花の咲く山にの意である。
結句「なほか鳴くらむ」の「か」は疑問の係助詞で、「らむ」の連体形と係り結びをなす。遠い山の今の様子を思いやって結ぶ。
ふらく:降ること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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本つ人霍公鳥をやめづらしく 今か汝が来る恋ひつつ居れば
- 次の歌
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黙もあらむ時も鳴かなむひぐらしの 物思ふ時に鳴きつつもとな