- 歌の意味
- 香り高い花橘を玉のように緒に通して、贈ろうと思う恋人は、やつれてしまっているだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 夏雑歌 1967
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
香り高い花橘を玉に貫いて恋人に贈ろうとしながら、その恋人がやつれていないかと気遣う歌である。美しい贈り物を用意する心と、会えない間に相手が恋にやつれていないかと案じる心が重なっている。本巻の第千九百三十九首のほととぎすの声を玉に貫く歌と同じく、玉に貫くという夏の風俗を背景にしている。
初句「かぐはしき」は香り高いの意である。
二句「花橘を」は花の咲いた橘をの意である。
三句「玉に貫き」は玉のように緒に通しての意である。
四句「贈らむ妹は」の「む」は意志、婉曲を表し、贈ろうと思う恋人はの意となる。
結句「みつれてもあるか」の「みつる」はやつれる意、「か」は疑問である。相手の身を案じて結ぶ。
みつる:やつれる。疲れ衰える
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 風に散る花橘を袖に受けて 君がみ跡と偲ひつるかも
- 次の歌
- 霍公鳥来鳴き響もす橘の 花散る庭を見む人や誰れ