聞きつやと君が問はせる霍公鳥
しののに濡れてこゆ鳴き渡る
- 歌の意味
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聞いたかとあなたがお尋ねになったほととぎすは、しっとりと濡れて、ここを鳴きながら渡っていった。
- 鑑賞
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巻第十 夏雑歌 1977
詞書は前の歌に続き「問答」
前歌の、ほととぎすの声を聞いたかという問いに答え、そのほととぎすはしっとりと濡れてここを鳴き渡っていったと応じた歌で、前歌の第千九百七十六首と問答をなす。前歌の結句「君は聞きつや」を初句に受け、問答の形を明らかにしている。春雑歌の第千八百三十一首の「朝霧にしののに濡れて呼子鳥」と同じく、濡れて鳴き渡る鳥の姿を描いている。
初句「聞きつやと」は前歌の結句「君は聞きつや」を受けた句である。
二句「君が問はせる」の「せ」は尊敬の助動詞「す」、「る」は存続の「り」の連体形である。
三句「霍公鳥」は問われたほととぎすである。
四句「しののに濡れて」の「しののに」はしっとりと、ぐっしょりとの意で、第千八百三十一首と同じ語である。
結句「こゆ鳴き渡る」は、ここを通って鳴き渡るの意で、本巻の第千九百五十九首と同じ結句である。
こゆ:ここを通って。ここから
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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卯の花の咲き散る岡ゆ霍公鳥 鳴きてさ渡る君は聞きつや
- 次の歌
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橘の花散る里に通ひなば 山霍公鳥響もさむかも