- 歌の意味
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人の噂は夏の野の草のように繁くとも、かまいはしない。あの子と私とが手を取り合って寝るのなら。
- 鑑賞
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巻第十 夏相聞 1983
詞書「草に寄す」
人の噂が夏草のように繁くとも、恋人と共寝できるならかまわないと言い切る歌で、題詞は「草に寄す」である。夏野の草の茂りが噂の多さの比喩となり、世間の目を恐れない強い恋心が表れている。春相聞の第千九百二十六首の、噂を立てられてもかまわないという歌と通じる思いである。
初句「人言は」は人の噂はの意である。
二句「夏野の草の」は夏の野の草のようにの意で、「繁く」を導く比喩である。
三句「繁くとも」の「とも」は逆接の仮定で、多くともの意となる。
四句「妹と我れとし」の「し」は強意の副助詞である。二人を並べて強調している。
結句「携はり寝ば」の「携はる」は手を取り合う意、「ば」は仮定である。共寝できるならと条件を示し、言いさしの形で強い思いを残して結ぶ。
ひとごと:人の噂
たづさはる:手を取り合う。連れ添う
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ひぐらしは時と鳴けども片恋に たわや女我れは時わかず泣く
- 次の歌
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このころの恋の繁けく夏草の 刈り掃へども生ひしくごとし