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外のみに見つつ恋ひなむ紅の
末摘花の色に出でずとも

歌の意味
よそながら見るだけで恋い続けよう。紅の末摘花のように、はっきり色に出して示さなくとも。
鑑賞
巻第十 夏相聞 1993

詞書は前の歌に続き「花に寄す」
 末摘花の鮮やかな紅色のように思いを表に出さなくとも、遠くから見ながら恋い続けようと決める歌で、花に寄する一連を締めくくる。前歌が秘めた恋を表に出したいと願ったのに対し、この歌は思いを表に出さずに恋い続ける決意を詠んでおり、二首は秘めた恋をめぐって対をなしている。

 初句「外のみに」はよそながら、遠くからだけの意である。
 二句「見つつ恋ひなむ」の「な」は強意、「む」は意志である。ここで二句切れとなる。
 三句「紅の」は紅花の色のの意である。
 四句「末摘花の」は紅花の別名で、茎の末の花を摘むことからいう。
 結句「色に出でずとも」は表に出さなくともの意で、「とも」は逆接の仮定である。倒置によって恋のあり方を最後に示して結ぶ。

すゑつむはな:紅花の別名。茎の末に咲く花を摘んで紅の染料とした
いろにいづ:思いが表情や態度に表れる
出典
万葉集
前の歌
隠りのみ恋ふれば苦しなでしこの 花に咲き出よ朝な朝な見む
次の歌
夏草の露別け衣着けなくに 我が衣手の干る時もなき