ひさかたの天つしるしと水無し川
隔てて置きし神代し恨めし
- 歌の意味
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天の定めのしるしとして、水のない川を隔てにして置いた神代が恨めしい。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2007
詞書は前の歌に続き「七夕」
天の定めとして天の川を隔てに置いた神代を恨めしく思う歌である。二人の逢瀬を阻む天の川を「水無し川」と呼び、水もないのに隔てとなる川への恨みを込めている。本巻の第二千二首や第二千五首が二星の恋を神代や天地の始まりに遡らせたのに対し、この歌はその神代の定めを恨むという反転した視点から詠まれている。
作者の柿本人麻呂は飛鳥時代、持統朝から文武朝にかけて活躍した宮廷歌人である。この歌は左注によって「柿本人麻呂歌集」に出ると記される歌で、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた他人の歌かは定かでない。
初句「ひさかたの」は「天」にかかる枕詞である。
二句「天つしるしと」は天の定めのしるしとしての意である。
三句「水無し川」は水のない川の意で、天の川を指す。天上の川であるため水がないとする。
四句「隔てて置きし」の「し」は過去の「き」の連体形で、隔てとして置いたの意となる。
結句「神代し恨めし」の「し」は強意の副助詞である。字余りの句で、隔てを定めた神代への恨みを示して結ぶ。
あまつしるし:天の定めのしるし
みなしがは:水のない川。ここでは天の川を指す
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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彦星は嘆かす妻に言だにも 告げにぞ来つる見れば苦しみ
- 次の歌
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ぬばたまの夜霧に隠り遠くとも 妹が伝へは早く告げこそ