天の川い向ひ立ちて恋しらに
言だに告げむ妻と言ふまでは
- 歌の意味
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天の川に向かい合って立って、恋しさのあまり、せめて言葉だけでもかけよう。妻と呼べる時が来るまでは。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2011
詞書は前の歌に続き「七夕」
天の川を隔てて向かい合い、逢瀬の時が来て妻と呼べるようになるまでは、せめて言葉だけでもかけようと詠んだ彦星の歌である。逢瀬の時を待ちながら、言葉を交わすことで心をつなぎとめようとする心が表れている。本巻の第二千六首や第二千八首と同じく、言葉を伝えることをめぐる歌である。
作者の柿本人麻呂は飛鳥時代、持統朝から文武朝にかけて活躍した宮廷歌人である。この歌は左注によって「柿本人麻呂歌集」に出ると記される歌で、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた他人の歌かは定かでない。
初句「天の川」は二星を隔てる川である。
二句「い向ひ立ちて」の「い」は接頭語で、向かい合って立っての意である。
三句「恋しらに」は恋しさのあまりの意である。
四句「言だに告げむ」の「だに」はせめて…だけでも、「む」は意志である。ここで四句切れとなる。
結句「妻と言ふまでは」は妻と呼べるまではの意である。倒置によって期限を最後に示している。
いむかふ:向かい合う。「い」は接頭語
こひしら:恋しいさま
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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夕星も通ふ天道をいつまでか 仰ぎて待たむ月人壮士
- 次の歌
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白玉の五百つ集ひを解きもみず 我は干しかてぬ逢はむ日待つに