我が待ちし秋萩咲きぬ今だにも
にほひに行かな彼方人に
- 歌の意味
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私が待っていた秋萩が咲いた。今すぐにでも、萩の花に染まって出かけて行こう、川の向こうの人のもとへ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2014
詞書は前の歌に続き「七夕」
待ちわびた秋萩が咲いたことを喜び、今すぐにでも萩の花の色に染まって川の向こうの恋人のもとへ行こうと詠んだ彦星の歌である。萩の咲くことが逢瀬の時の到来を告げ、その花に身を染めて会いに行こうとする華やいだ心が表れている。前歌の秋風に続き、萩の開花が七夕の季節を告げている。
作者の柿本人麻呂は飛鳥時代、持統朝から文武朝にかけて活躍した宮廷歌人である。この歌は左注によって「柿本人麻呂歌集」に出ると記される歌で、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた他人の歌かは定かでない。
初句「我が待ちし」は私が待っていたの意である。
二句「秋萩咲きぬ」の「ぬ」は完了で、ここで二句切れとなる。
三句「今だにも」は今すぐにでもの意である。
四句「にほひに行かな」の「にほふ」は色に染まる意、「な」は意志を表す終助詞である。萩の花に衣を染めて行こうの意とされる。
結句「彼方人に」は遠くの人に、川の向こうの人にの意で、織女を指す。倒置によって行く先を最後に示している。
にほふ:色に染まる。色美しく照り映える
をちかたびと:遠くにいる人。向こう側の人
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天の川水蔭草の秋風に 靡かふ見れば時は来にけり
- 次の歌
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我が背子にうら恋ひ居れば天の川 夜舟漕ぐなる楫の音聞こゆ