天の川去年の渡りで移ろへば
川瀬を踏むに夜ぞ更けにける
- 歌の意味
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天の川の去年の渡り瀬が移り変わってしまったので、浅瀬を探して踏み歩くうちに夜が更けてしまった。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2018
詞書は前の歌に続き「七夕」
去年渡った天の川の渡り瀬が移り変わっていたため、浅瀬を探して歩くうちに夜が更けてしまったと詠んだ彦星の歌である。川の流れの変化という自然の営みに、一年という時の隔たりの長さが表れている。限られた逢瀬の時が失われていく焦りが、「夜ぞ更けにける」に込められている。
作者の柿本人麻呂は飛鳥時代、持統朝から文武朝にかけて活躍した宮廷歌人である。この歌は左注によって「柿本人麻呂歌集」に出ると記される歌で、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた他人の歌かは定かでない。
初句「天の川」は二星を隔てる川である。
二句「去年の渡りで」の「渡りで」は渡り瀬、渡る場所の意とされる。
三句「移ろへば」は移り変わったのでの意で、「ば」は確定条件である。
四句「川瀬を踏むに」は浅瀬を踏み歩くうちにの意である。
結句「夜ぞ更けにける」の「ぞ」は強意の係助詞で、「ける」の連体形と係り結びをなす。夜更けの焦りを示して結ぶ。
わたりぜ:川を歩いて渡る浅瀬
うつろふ:移り変わる
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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恋ひしくは日長きものを今だにも ともしむべしや逢ふべき夜だに
- 次の歌
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いにしへゆあげてし服も顧みず 天の川津に年ぞ経にける