天の川夜船を漕ぎて明けぬとも
逢はむと思ふ夜袖交へずあらむ
- 歌の意味
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天の川を夜舟で漕ぎ渡って、夜が明けてしまうとしても、逢おうと思う今夜、袖を交わさずにいられようか。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2020
詞書は前の歌に続き「七夕」
天の川を夜舟で漕ぎ渡るうちに夜が明けてしまうとしても、逢おうと思う今夜は必ず袖を交わそうと決意する彦星の歌である。前の第二千十八首が渡り瀬を探すうちに夜が更けたことを嘆いたのに対し、この歌は夜が明けても逢瀬を遂げようという強い意志を示している。
作者の柿本人麻呂は飛鳥時代、持統朝から文武朝にかけて活躍した宮廷歌人である。この歌は左注によって「柿本人麻呂歌集」に出ると記される歌で、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた他人の歌かは定かでない。
初句「天の川」は舟で渡る川である。
二句「夜船を漕ぎて」は夜舟を漕いでの意である。
三句「明けぬとも」の「とも」は逆接の仮定で、夜が明けてしまうとしてもの意となる。
四句「逢はむと思ふ夜」は逢おうと思う夜の意で、字余りの句である。
結句「袖交へずあらむ」は袖を交わさずにいられようかの意で、反語の含みをもつ。共寝への強い意志を示して結ぶ。
そでかふ:袖を交わす。共寝する
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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いにしへゆあげてし服も顧みず 天の川津に年ぞ経にける
- 次の歌
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遠妻と手枕交へて寝たる夜は 鶏がねな鳴き明けば明けぬとも