一年に七日の夜のみ逢ふ人の
恋も過ぎねば夜は更けゆくも
- 歌の意味
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一年のうちに七日の夜だけ逢う人の恋しさもまだ晴れないのに、夜は更けていくことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2032
詞書は前の歌に続き「七夕」
一年に七月七日の夜だけしか逢えない二星の、恋しさもまだ晴れないうちに夜が更けていくことを嘆いた歌である。一年と一夜という時間の尺度の対比が、逢瀬の短さを際立たせている。訓読には「一云 尽きねばさ夜ぞ明けにける」の異伝が添えられ、恋しさが尽きないのに夜が明けてしまったとする伝えもある。本巻の第二千二十三首の「恋も過ぎねば」と同じ句を用いている。
作者の柿本人麻呂は飛鳥時代、持統朝から文武朝にかけて活躍した宮廷歌人である。この歌は左注によって「柿本人麻呂歌集」に出ると記される歌で、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた他人の歌かは定かでない。
初句「一年に」は一年のうちにの意である。
二句「七日の夜のみ」は七月七日の夜だけの意である。
三句「逢ふ人の」は逢う人のの意で、二星を指す。
四句「恋も過ぎねば」の「ね」は打ち消しの已然形、「ば」は逆接的な確定条件で、恋しさも晴れないのにの意である。第二千二十三首の結句と同じ句である。
結句「夜は更けゆくも」の「も」は詠嘆である。過ぎていく夜を嘆いて結ぶ。
なぬか:七日。ここでは七月七日を指す
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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よしゑやし直ならずともぬえ鳥の うら嘆げ居りと告げむ子もがも
- 次の歌
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天の川安の川原定而 神競者磨待無