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恋しけく日長きものを逢ふべくある
宵だに君が来まさずあるらむ

歌の意味
恋しく思う日々は長いのに、逢うことのできる今宵でさえ、あなたはおいでにならないでいるのだろうか。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2039

詞書は前の歌に続き「七夕」
 恋しい日々は長いのに、逢えるはずの今宵でさえ彦星が来ないのはなぜかと嘆く織女の歌である。一年待ち続けた逢瀬の夜に、なお相手の訪れが遅いことへの不安といらだちが表れている。前の二首と同じく「日長きものを」の句を用いており、長い別れの日々を前提とした嘆きが続いている。

 初句「恋しけく」は「恋し」のク語法で、恋しく思うことはの意である。
 二句「日長きものを」は日数が長いのにの意で、前歌と同じ句である。
 三句「逢ふべくある」は逢うことのできるの意で、字余りの句である。
 四句「宵だに君が」の「だに」はさえの意である。逢えるはずの宵でさえの意を示す。
 結句「来まさずあるらむ」の「ます」は尊敬語、「らむ」は原因推量である。来ない理由を案じて結ぶ。

よひ:日が暮れて間もないころ。夜
出典
万葉集
前の歌
逢はなくは日長きものを天の川 隔ててまたや我が恋ひ居らむ
次の歌
彦星と織女と今夜逢ふ 天の川門に波立つなゆめ