- 歌の意味
- 彦星と織女とが今夜逢う、その天の川の渡り口に、決して波よ立つな。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2040
詞書は前の歌に続き「七夕」
彦星と織女が今夜逢う天の川の渡り口に、決して波が立たないでほしいと願う歌である。地上の人が二星の逢瀬の無事を祈る心が表れている。本巻の第二千二十九首と同じく「彦星と織女と今夜逢ふ」の句を用い、前歌が音によって逢瀬を推し量ったのに対し、この歌は逢瀬の無事を祈っている。
初句「彦星と」は牽牛星とである。
二句「織女と」は織女星とで、字余りの句である。第二千二十九首と同じく二星の名を並べる。
三句「今夜逢ふ」は今夜逢うの意である。
四句「天の川門に」の「川門」は川の渡り口、川幅の狭くなったところの意である。
結句「波立つなゆめ」の「な」は禁止、「ゆめ」は決しての意である。倒置によって禁止を強めて結ぶ。
かはと:川の渡り口。川幅が狭くなったところ
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 恋しけく日長きものを逢ふべくある 宵だに君が来まさずあるらむ
- 次の歌
- 秋風の吹きただよはす白雲は 織女の天つ領巾かも