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秋風の清き夕に天の川
舟漕ぎ渡る月人壮士

歌の意味
秋風の清らかな夕べに、天の川を舟で漕ぎ渡っていく月の若者よ。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2043

詞書は前の歌に続き「七夕」
 秋風の清らかな夕べに、天の川を舟で漕ぎ渡っていく月を、若者に見立てて詠んだ歌である。空を渡る月の動きを、天の川を舟で渡る姿としてとらえ、七夕の夜の空を幻想的に描いている。本巻の第二千十首に続き「月人壮士」が詠まれ、七夕の夜の天上に彦星と並んで月も登場している。

 初句「秋風の」は秋風がの意である。
 二句「清き夕に」は清らかな夕べにの意である。
 三句「天の川」は月が渡る川である。
 四句「舟漕ぎ渡る」は舟を漕いで渡るの意で、月の動きを舟に見立てている。
 結句「月人壮士」は月を若者に見立てた語で、第二千十首と同じ結句である。

つきひとをとこ:月を若い男性に見立てた語
出典
万葉集
前の歌
しばしばも相見ぬ君を天の川 舟出早せよ夜の更けぬ間に
次の歌
天の川霧立ちわたり彦星の 楫の音聞こゆ夜の更けゆけば