- 歌の意味
- 天の川に霧が一面に立ちこめて、彦星の舟の楫の音が聞こえてくる。夜が更けてゆくと。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2044
詞書は前の歌に続き「七夕」
夜が更けゆく中、霧の立ちこめる天の川から彦星の舟の楫の音が聞こえてくると詠んだ歌である。霧によって姿は見えず、音だけで彦星の渡りを知るという構図に、夜の神秘的な雰囲気が漂っている。本巻の第二千十五首や第二千二十九首に続き、楫の音で逢瀬を知る趣向が繰り返されている。
初句「天の川」は二星を隔てる川である。
二句「霧立ちわたり」は霧が一面に立ちこめての意である。
三句「彦星の」は牽牛星のの意である。
四句「楫の音聞こゆ」は楫の音が聞こえるの意で、ここで四句切れとなる。
結句「夜の更けゆけば」の「ば」は確定条件で、夜が更けてゆくのでの意である。倒置によって時を最後に示している。
かぢ:舟を漕ぐ道具。櫂や櫓
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 秋風の清き夕に天の川 舟漕ぎ渡る月人壮士
- 次の歌
- 君が舟今漕ぎ来らし天の川 霧立ちわたるこの川の瀬に