- 歌の意味
- あなたの舟が今漕いでやって来るらしい。天の川に霧が一面に立ちこめている、この川の瀬に。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2045
詞書は前の歌に続き「七夕」
天の川の瀬に霧が立ちこめるのを見て、彦星の舟が今漕いで来るらしいと推し量る織女の歌である。前歌と同じく霧の立ちこめる天の川を詠み、霧を舟の近づく兆しとしている。前歌が楫の音によって彦星の渡りを知ったのに対し、この歌は霧によって知っており、聴覚と視覚の対照が見られる。
初句「君が舟」はあなたの舟の意で、彦星の舟を指す。
二句「今漕ぎ来らし」の「らし」は根拠ある推定で、ここで二句切れとなる。
三句「天の川」は舟の渡る川である。
四句「霧立ちわたる」は霧が一面に立ちこめるの意で、前歌の二句と同じ語である。
結句「この川の瀬に」はこの川の瀬にの意である。推定の根拠となる景を示して結ぶ。
せ:川の浅く流れの速いところ
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 天の川霧立ちわたり彦星の 楫の音聞こゆ夜の更けゆけば
- 次の歌
- 秋風に川波立ちぬしましくは 八十の舟津にみ舟留めよ