- 歌の意味
- 天の原に出て行って射ようとして、白木の弓を引いて隠れている月の若者よ。
- 鑑賞
-
巻第十 秋雑歌 2051
詞書は前の歌に続き「七夕」
天の原に出て射ようと弓を引いて隠れているかのような月を、若者に見立てて詠んだ歌である。弓張り月の形を、弓を引き絞る若者の姿に見立てた機知に富んだ表現である。本巻の第二千十首、第二千四十三首に続く「月人壮士」の歌で、七夕の夜の天上に月の姿がさまざまに描かれている。
初句「天の原」は広々とした天空の意である。
二句「行きて射てむと」は行って射ようとしての意である。
三句「白真弓」は白木の真弓の意で、弓張り月を思わせる。
四句「引きて隠れる」は弓を引いて隠れているの意である。月が山の端などに隠れる様子を示す。
結句「月人壮士」は月を若者に見立てた語で、第二千十首などと同じ結句である。
あまのはら:広々とした天空
しらまゆみ:白木の真弓
つきひとをとこ:月を若い男性に見立てた語
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 明日よりは我が玉床をうち掃ひ 君と寐ねずてひとりかも寝む
- 次の歌
- この夕降りくる雨は彦星の 早漕ぐ舟の櫂の散りかも