- 歌の意味
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天の川に板の橋を渡しておくれ。妻の家への道を、絶えず通おう。逢瀬の時を待たなくとも。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2056
詞書は前の歌に続き「七夕」
天の川に板の橋を架けてほしい、そうすれば逢瀬の時を待たずとも妻の家へ絶えず通えると願う彦星の歌である。年に一度という定めを越えて、いつでも逢いたいという強い願いが表れている。前歌が一年に一度しか待てないと嘆いたのに対し、この歌はその定めを越えようとする願いを詠んでおり、対照的である。
初句「天の川」は二星を隔てる川である。
二句「打橋渡せ」の「打橋」は板を渡しただけの簡単な橋、「渡せ」は命令形である。ここで二句切れとなる。
三句「妹が家道」は妻の家へ行く道の意である。
四句「やまず通はむ」の「む」は意志で、絶えず通おうの意となる。
結句「時待たずとも」の「とも」は逆接の仮定で、逢瀬の時を待たなくともの意である。定めを越える願いを示して結ぶ。
うちはし:板を渡しただけの簡単な橋
いもがいへぢ:恋しい人の家へ行く道
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天の川遠き渡りはなけれども 君が舟出は年にこそ待て
- 次の歌
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月重ね我が思ふ妹に逢へる夜は 今し七夜を継ぎこせぬかも