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年に装ふ我が舟漕がむ天の川
風は吹くとも波立つなゆめ

歌の意味
一年に一度装いを整える私の舟を漕ごう。天の川よ、風は吹いても、決して波は立つな。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2058

詞書は前の歌に続き「七夕」
 一年に一度装いを整える舟を漕ぎ出そうとし、風は吹いても波は立たないでほしいと願う彦星の歌である。年に一度の晴れの舟出への意気込みと、渡りの無事を願う心とが表れている。本巻の第二千四十首と同じく「波立つなゆめ」で結び、地上の人の祈りと彦星自身の願いとが呼応している。

 初句「年に装ふ」は一年に一度装いを整えるの意で、字余りの句である。
 二句「我が舟漕がむ」の「む」は意志で、ここで二句切れとなる。
 三句「天の川」は呼びかけの対象でもある。
 四句「風は吹くとも」の「とも」は逆接の仮定で、風は吹いてもの意となる。
 結句「波立つなゆめ」は第二千四十首と同じ結句で、決して波よ立つなと強く願って結ぶ。

よそふ:装いを整える。準備する
出典
万葉集
前の歌
月重ね我が思ふ妹に逢へる夜は 今し七夜を継ぎこせぬかも
次の歌
天の川波は立つとも我が舟は いざ漕ぎ出でむ夜の更けぬ間に