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機物のまね木持ち行きて天の川
打橋渡す君が来むため

歌の意味
機織りの道具のまね木を持って行って、天の川に板の橋を渡そう。あなたが来られるように。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2062

詞書は前の歌に続き「七夕」
 機織りの道具を持って行って天の川に橋を渡そう、彦星が来られるようにと詠んだ織女の歌である。本巻の第二千五十六首で彦星が打橋を渡してほしいと願ったのに応えるように、織女自らが機の道具で橋を架けようとしており、二首が呼応している。機織りを本業とする織女らしい発想である。

 初句「機物の」は機織りの道具のの意である。
 二句「まね木持ち行きて」の「まね木」は機の部品の一つとされ、字余りの句である。
 三句「天の川」は橋を渡す川である。
 四句「打橋渡す」は板の橋を渡すの意で、第二千五十六首の二句と同じ語である。
 結句「君が来むため」はあなたが来るためにの意である。倒置によって橋を渡す目的を最後に示している。

はたもの:機織りの道具。機
まねき:機の部品の一つとされる
うちはし:板を渡しただけの簡単な橋
出典
万葉集
前の歌
天の川白波高し我が恋ふる 君が舟出は今しすらしも
次の歌
天の川霧立ち上る織女の 雲の衣のかへる袖かも