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天の川霧立ち上る織女の
雲の衣のかへる袖かも

歌の意味
天の川に霧が立ち上っている。織女の雲の衣の、ひるがえる袖であろうか。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2063

詞書は前の歌に続き「七夕」
 天の川に立ち上る霧を、織女の雲の衣のひるがえる袖に見立てた歌である。本巻の第二千四十一首が白雲を織女の領巾に見立てたのと同じく、空の景物を織女の装いに見立てる趣向で、ここでは霧が衣の袖となっている。「かへる袖」には別れの際に振る袖の意も重ねられているとも考えられる。

 初句「天の川」は二星を隔てる川である。
 二句「霧立ち上る」は霧が立ち上るの意で、ここで二句切れとなる。
 三句「織女の」は織女星のの意である。
 四句「雲の衣の」は雲でできた衣のの意である。天女の衣を示す。
 結句「かへる袖かも」の「かへる」はひるがえる意、「かも」は詠嘆を含む疑問である。霧を衣の袖と見立てて結ぶ。

かへる:ひるがえる。裏返る
出典
万葉集
前の歌
機物のまね木持ち行きて天の川 打橋渡す君が来むため
次の歌
いにしへゆ織りてし服をこの夕 衣に縫ひて君待つ我れを