天の川渡り瀬深み舟浮けて
漕ぎ来る君が楫の音聞こゆ
- 歌の意味
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天の川の渡り瀬が深いので、舟を浮かべて漕いでやって来るあなたの楫の音が聞こえる。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2067
詞書は前の歌に続き「七夕」
天の川の渡り瀬が深いため、舟を浮かべて漕いで来る彦星の楫の音が聞こえると詠んだ織女の歌である。本巻の第二千十五首の「楫の音聞こゆ」と同じ結句で、楫の音によって恋人の近づくことを知る喜びが繰り返されている。徒歩で渡れない深い瀬を舟で越えて来る姿に、逢瀬への熱意が表れている。
初句「天の川」は二星を隔てる川である。
二句「渡り瀬深み」の「み」は原因を表す接尾語で、渡り瀬が深いのでの意となる。
三句「舟浮けて」は舟を浮かべての意で、本巻の第二千首と同じ句である。
四句「漕ぎ来る君が」は漕いでやって来るあなたのの意である。
結句「楫の音聞こゆ」は第二千十五首と同じ結句で、近づく音に喜びを託して結ぶ。
わたりぜ:川を歩いて渡る浅瀬
かぢ:舟を漕ぐ道具。櫂や櫓
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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月日えり逢ひてしあれば別れまく 惜しくある君は明日さへもがも
- 次の歌
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天の原降り放け見れば天の川 霧立ちわたる君は来ぬらし