- 歌の意味
- 天の原を振り仰いで遠く見やると、天の川に霧が一面に立ちこめている。あなたはやって来たらしい。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2068
詞書は前の歌に続き「七夕」
天の原を仰ぎ見て、天の川に霧が一面に立ちこめているのを見て、彦星が来たらしいと推し量る織女の歌である。本巻の第二千四十五首と同じく、霧を彦星の舟の到来の兆しとしている。「降り放け見れば」という広々とした眺望の表現が、天上の景の大きさを印象づけている。
初句「天の原」は広々とした天空の意である。
二句「降り放け見れば」の「振り放く」は振り仰いで遠くを見る意である。
三句「天の川」は霧の立つ川である。
四句「霧立ちわたる」は霧が一面に立ちこめるの意で、ここで四句切れとなる。
結句「君は来ぬらし」の「ぬ」は完了、「らし」は根拠ある推定である。霧を根拠に彦星の到来を推し量って結ぶ。
ふりさく:振り仰いで遠くを見る
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 天の川渡り瀬深み舟浮けて 漕ぎ来る君が楫の音聞こゆ
- 次の歌
- 天の川瀬ごとに幣をたてまつる 心は君を幸く来ませと