久方の天の川津に舟浮けて
君待つ夜らは明けずもあらぬか
- 歌の意味
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天の川の渡し場に舟を浮かべて、あなたを待つこの夜は、明けないでいてくれないものか。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2070
詞書は前の歌に続き「七夕」
天の川の渡し場に舟を浮かべて彦星を待つ夜が、明けないでいてほしいと願う織女の歌である。逢瀬の夜が明けてしまうことへの恐れが、待つうちから表れている。本巻の第千八百八十二首の「暮れずもあらぬか」が楽しい日の暮れないことを願ったのに対し、この歌は待つ夜の明けないことを願っており、昼と夜との対応が見られる。
初句「久方の」は「天」にかかる枕詞である。
二句「天の川津に」の「津」は渡し場の意である。
三句「舟浮けて」は舟を浮かべての意である。
四句「君待つ夜らは」の「ら」は接尾語で、あなたを待つ夜はの意となる。
結句「明けずもあらぬか」の「ぬか」は打ち消しの疑問で願望を表す。字余りの句で、夜の明けないことを願って結ぶ。
つ:渡し場。港
よら:夜。「ら」は接尾語
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天の川瀬ごとに幣をたてまつる 心は君を幸く来ませと
- 次の歌
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天の川なづさひ渡る君が手も いまだまかねば夜の更けぬらく