ま日長く川に向き立ちありし袖
今夜巻かむと思はくがよさ
- 歌の意味
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長い日々、川に向かって立っていた袖を、今夜こそ枕にしようと思うことのうれしさよ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2073
詞書は前の歌に続き「七夕」
長い日々、川に向かって立ち続けて待っていた相手の袖を、今夜こそ枕にしようと思ううれしさを詠んだ歌である。待ち続けた日々の長さと、今夜の逢瀬への喜びとが一首の中で対比されている。本巻の第二千三十首の「川に向き居て恋ふる夜ぞ多き」が川に向かって待ち続ける日々を嘆いたのに対し、この歌はその日々の果てに訪れた逢瀬の喜びを詠んでいる。
初句「ま日長く」は長い日数にわたっての意で、本巻の第二千十六首と同じ初句である。
二句「川に向き立ち」は川に向かって立っての意である。
三句「ありし袖」の「し」は過去の「き」の連体形で、そうしていた袖の意となる。
四句「今夜巻かむと」の「巻く」は枕にする意、「む」は意志である。
結句「思はくがよさ」の「思はく」は「思ふ」のク語法、「よさ」はよいことの意で、体言止めである。喜びを示して結ぶ。
まく:枕にする
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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渡り守舟渡せをと呼ぶ声の 至らねばかも楫の音のせぬ
- 次の歌
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天の川渡り瀬ごとに思ひつつ 来しくもしるし逢へらく思へば