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天の川川門八十ありいづくにか
君がみ舟を我が待ち居らむ

歌の意味
天の川には渡り口がたくさんある。そのどこで、あなたの舟を私は待っていればよいのだろう。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2082

詞書は前の歌に続き「七夕」
 天の川には渡り口が数多くあり、どこで彦星の舟を待てばよいのかと迷う織女の歌である。逢いたい一心で待ち受ける場所に迷う心が、いじらしく表れている。本巻の第二千四十六首の「八十の舟津」と同じく、天の川の渡り口の多さを詠んでいる。

 初句「天の川」は二星を隔てる川である。
 二句「川門八十あり」の「八十」は数の多いことで、渡り口がたくさんあるの意である。ここで二句切れとなる。
 三句「いづくにか」の「か」は疑問の係助詞で、結句の「む」と係り結びをなす。
 四句「君がみ舟を」の「み」は美称の接頭語である。
 結句「我が待ち居らむ」は私は待っていればよいのだろうかの意で、迷う心を示して結ぶ。

かはと:川の渡り口。川幅が狭くなったところ
やそ:数が多いこと
出典
万葉集
前の歌
天の川棚橋渡せ織女の い渡らさむに棚橋渡せ
次の歌
秋風の吹きにし日より天の川 瀬に出で立ちて待つと告げこそ