- 歌の意味
- 天の川の瀬ごとに白波が高く立っているけれども、まっすぐに渡って来た。待っていたら苦しいので。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2085
詞書は前の歌に続き「七夕」
天の川の瀬ごとに白波が高く立っていても、待っていては苦しいのでまっすぐに渡って来たと詠んだ彦星の歌である。前歌で織女が渡り瀬の荒れを案じたのに対し、この歌は彦星が荒れた川をものともせずに渡って来たと応じており、二首は案じる側と渡る側の対応をなしている。逢いたい一心の強さが表れている。
初句「天の川」は渡る川である。
二句「瀬々に白波」は瀬ごとに白波がの意である。
三句「高けども」の「ども」は逆接で、高いけれどもの意となる。
四句「直渡り来ぬ」の「直」はまっすぐに、じかにの意、「ぬ」は完了である。ここで四句切れとなる。
結句「待たば苦しみ」の「み」は原因を表す接尾語で、待っていたら苦しいのでの意である。倒置によって渡った理由を最後に示している。
せぜ:あちこちの瀬
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 天の川去年の渡り瀬荒れにけり 君が来まさむ道の知らなく
- 次の歌
- 彦星の妻呼ぶ舟の引き綱の 絶えむと君を我が思はなくに