彦星の妻呼ぶ舟の引き綱の
絶えむと君を我が思はなくに
- 歌の意味
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彦星が妻を呼んで漕ぐ舟の引き綱が切れるように、あなたとの仲が絶えようなどとは、私は思ってもいないのに。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2086
詞書は前の歌に続き「七夕」
彦星の舟の引き綱を序として、あなたとの仲が絶えることなど思ってもいないと、変わらぬ思いを誓う歌である。上の句の引き綱が「絶え」を導き、切れやすい綱のイメージを反転させて、決して切れない二人の仲を示している。本巻の第二千七十八首の「玉葛絶えぬものから」と同じく、絶えない仲を詠んでいる。
初句「彦星の」は牽牛星のの意である。
二句「妻呼ぶ舟の」は妻を呼ぶ舟のの意で、本巻の第二千七十五首と同じ句である。
三句「引き綱の」は舟を引く綱のようにの意で、上の句は「絶え」を導く序となっている。
四句「絶えむと君を」は仲が絶えようとあなたをの意である。
結句「我が思はなくに」の「なくに」は打ち消しのク語法に「に」の付いた形で、私は思っていないのにの意である。
ひきづな:舟などを引く綱
- 出典
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万葉集
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天の川瀬々に白波高けども 直渡り来ぬ待たば苦しみ
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渡り守舟出し出でむ今夜のみ 相見て後は逢はじものかも