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真葛原靡く秋風吹くごとに
阿太の大野の萩の花散る

歌の意味
葛の原をなびかせる秋風が吹くたびに、阿太の大野の萩の花が散る。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2096

詞書は前の歌に続き「花を詠む」
 葛の原をなびかせる秋風が吹くたびに、阿太の大野の萩の花が散る様子を詠んだ歌である。広々とした野を渡る秋風と、そのたびに散る萩の花という、動きのある秋の野の景を大きくとらえている。葛と萩という秋の七草に数えられる植物を一首に詠み込んでいる。

 初句「真葛原」の「ま」は接頭語で、葛の生い茂った原の意である。
 二句「靡く秋風」は葛の原をなびかせる秋風の意である。
 三句「吹くごとに」は吹くたびにの意である。
 四句「阿太の大野の」の「阿太」は大和国宇智郡、現在の奈良県五條市のあたりの地名とされる。
 結句「萩の花散る」は萩の花が散るの意で、秋風のたびに散る景を示して結ぶ。

まくずはら:葛の生い茂った原
おほの:広々とした野
出典
万葉集
前の歌
夕されば野辺の秋萩うら若み 露にぞ枯るる秋待ちかてに
次の歌
雁がねの来鳴かむ日まで見つつあらむ この萩原に雨な降りそね